原の辻遺跡の概要

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国特別史跡 原の辻遺跡の概要

所在地:長崎県壱岐市芦辺町・石田町【深江田原(ふかえたばる)一帯】
時 代:弥生時代全般~古墳時代初頭【今から約2200年前から1600年前】

原の辻遺跡は、長崎県で2番目に広い平野である「深江田原」にあり、島内各地の山麓から湧き出た水が集まり、島内最長を誇る幡鉾川(はたほこがわ)に合流する場所に位置します。
遺跡からは海を望むことができませんが、幡鉾川を東に約1キロメートル下流に向かうとそこには「内海湾(うちめわん)」が広がっています。
原の辻遺跡は、平野に広がる丘陵の最頂部につくられた祭儀場を中心に標高10メートル前後の丘陵上に居住域を構え、丘陵の裾部に多重の環濠を掘り巡らした弥生時代を代表する大規模環濠集落跡です。

原の辻遺跡からは、当時最先端の文物をはじめ、国内唯一となる人面石など、当時の東アジア諸国との交流の歴史を語る上で欠かすことができない資料がたくさん発見されています。

原の辻遺跡(遺物概要)

原の辻遺跡は、時に「弥生のタイムカプセル」と称されるように、土器や石器だけでなく、木製品、鉄製品、青銅製品、ガラス製品、骨角製品などの多種多様な弥生時代の資料が発見されています。

日本最古や国内唯一といった当時の資料も数多く、装飾を施したガラス製の蜻蛉玉(とんぼだま)、国内では未導入だった馬車の部品〔青銅製車馬具〕や弩(ど)の矢先に用いる鏃(やじり)〔青銅製三翼鏃〕、棹秤(さおばかり)の錘(おもり)〔青銅製権〕、鉄製の金鎚〔鉄鎚(てっつい〕、人の顔を模した石製の人面石などの代表遺物があります。

国重要文化財 人面石

人工的に掘られた環濠から発見された人面石は、凝灰岩製(ぎょうかいがんせい)で、最大部分で長軸方向10.2センチ、短軸方向7.4センチ、厚さ4.5センチ、重さ316.5グラムの大きさです

 

楕円形の形状に両目は半分まで彫り込み、口は裏面まで貫通させています。目と口以外に目の上には細い線で眉が描かれ、目と目の間には造り出した鼻が、頬にあたる部分は削り出しによって窪みをつくり、こけた頬(ほお)を表現しています。人面石は、先祖の霊を見える形で表現した“精霊のシンボル”としてつくられ、偶像崇拝(ぐうぞうすうはい)の祭器として使用された可能性が考えられています。

国重要文化財 人面石

国重要文化財 原の辻遺跡出土代表資料